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土田貴宏の東京デザインジャーナル|エルメスのウィンドウを飾る、道具のスペクトル

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July 3, 2017 | Design, Fashion | casabrutus.com | photo_Satoshi Asakawa / Courtesy of Hermès Japon text_Takahiro Tsuchida

マイク・エーブルソンが手がけた銀座メゾンエルメスのショーウィンドウ「ツール・ルーツ」は、古今東西の多様な道具をユニークな視点で分類。〈エルメス〉のアイテムも考察の対象になっている。

多様な道具がディスプレイされた、銀座メゾンエルメスのショーウィンドウの展示「ツール・ルーツ」。

国内外の気鋭のデザイナーやアーティストを起用して、2か月おきに設えを変える銀座メゾンエルメスのショーウィンドウ。〈ポスタルコ〉の主宰者でデザイナーのマイク・エーブルソンによる「ツール・ルーツ」が、7月25日までこのウィンドウを飾っている。タイトルの通り、今回のテーマになっているのは道具の成り立ちについてのリサーチだ。彼らしい柔軟な発想と優れた洞察力、そして独特のユーモアを感じさせるディスプレイは、エキシビションとしても楽しめる深みをそなえている。

さまざまな道具が並ぶ様子は、昔ながらの金物屋のディスプレイを思わせるところもある。

エーブルソンは、道具の機能を棒、ロープ、ボウルの3つの要素に還元できるものと考える。この3つの道具は、もちろんそのままでも日常の中で使われている。さらに古今東西の多くの道具は、この3つがさまざまに融合したものととらえることもできる。たとえば歯ブラシは、手に持つ部分は棒であり、先端の毛はロープの一種。チリトリなら、棒と器の要素が融合したものととらえる。こうした関係性が、実物の配置やドローイングなどでショーウィンドウの中に表現されている。

「STICKS」「ROPE」「BOWLS」という3つの要素から、多様な道具を位置づけている。

「今回のウィンドウでは、異なるツールを組み合わせたりブレンドしたりすることで、新しいオブジェクトが創造されることを示しました。これはデザインと密接に結びついています。たとえばロープの繊維を棒と組み合わせると、刷毛にも歯ブラシにもほうきにもなる。私は人間と道具との相互作用に魅了されていますが、同時にまた道具同士が互いに影響し合って別の道具になる道筋に魅了されるのです。ツール・ルーツは、こうした考え方を探求するための方法です」とエーブルソン。多様な道具と同様に、〈エルメス〉のいくつかの製品もこの分類に従ってウィンドウの中にディスプレイされている。〈エルメス〉のバッグもまた、ハンドルはロープ、ものを入れる部分は器、というふうに考えることができる。

色のスペクトルに3つの機能を当てはめて、わかりやすく伝える発想はマイク・エーブルソンならでは。

ウィンドウの中央には、三原色に3種類の道具を当てはめたカラーチャートがある。3つの道具からさまざまなツールが生まれてきたことを、三原色の組み合わせが多様な色を作り出すスペクトルになぞらえて表現しているのだ。このスペクトルに対応して道具が配置してあり、エーブルソンのリサーチの成果が直感的に理解できる。植物の繊維を生かして作られるザルやカゴが器とロープの間にあったり、スプーンとフォークがかなり離れた場所にあったりと、ここにはいろいろな発見や驚きがひそんでいる。

棒とロープの2次元のスペクトルには、その中間にブラシ、筆、刷毛などが並ぶ。

こうした道具のリサーチをエーブルソンが始めたきっかけは、以前、キャンプ用のテントを設置していた時の気づきだったという。テントのロープを固定するペグを地面に突き刺そうとしても、手の力だけではできなかった。彼のポケットの中にあったスマートフォンは、こんな場合はまったく役に立たない。そこで必要だったのは、万能のはずのスマートフォンよりも、ハンマー代わりになる1本の棒だった。

「一般に、最も先進的な道具は最も新しい道具だとされています。しかし私は、その道具が生まれた時代にこだわらず、それらの形態を純粋に同列のものとして、個々の道具の差異に着目しようと考えました。そこで棒は青、ロープは黄色、器は赤というふうにツールに色を当てはめました。色には優劣がないからです」

カッティングの美しい〈サンルイ〉のカクテルグラスも、ボウルと棒の組み合わせで構成されている。

またメゾンエルメスの壁面にある16個の小窓には、〈エルメス〉の製品を棒、ロープ、ボウルの3つの要素に分解したスケッチが、商品とともにディスプレイされた。わかりやすいのは脚付きのグラスで、ボウルと棒の組み合わせでできている。ハイヒールなら、ヒール部分には棒の、ソール部分にはボウルの、ストラップにはロープの要素がそれぞれ隠れている。こうした考察は、展示した商品のスケッチを描きながら発想していったそうだ。デザインの原型を探る独自の視点が、〈エルメス〉のきわめて上質な製品を読み解き、機能や構造の秘密を解き明かしている。

ロープとは、たくさんのものを抱える人の行為から生まれたとも考えられる。多様なロープがリサーチの対象になった。

「今回の展示は、ウィンドウディスプレイとエキシビションの中間のようなものです。ハードウェア・ショップ(日本の金物屋にあたる)では、その店が扱うツールをウィンドウに飾ることが伝統として受け継がれています。一方、ギャラリーは考察と再検証のための場です。私は昔ながらの金物屋を参照しながら、そこで扱われるものを違う角度から認識し直しました。この展示を観た人が、何かが多少でもいつもと違って見える感覚を得られたら、とてもうれしいです」

手のひらをもとに生まれたシンプルな器は、ロープの要素が加わるとバッグに発展。手前にはエルメスのバッグを展示している。

アキッレ・カスティリオーニやチャールズ&レイ・イームズはじめ、昔からあったものを収集して考察し、創造に生かした著名なデザイナーは少なくない。この展示では、そんな考察のプロセスそのものに、デザイナーの創造性や個性が発揮されることがわかる。さまざまな道具は、たとえば器の原型が手のひらで形のないものをすくう行為であるように、人間の身体が原点にある。ツールのルーツを探り、発展の道筋を考えることは、先史時代から継承される普遍の法則を見つめようとする試みに違いない。今回のショーウィンドウでは〈エルメス〉の製品を対象に加えることで、その普遍性が、現在もなおもの作りの本質にあることを明らかにしている。

「Tool Roots」

〈銀座メゾンエルメス〉
東京都中央区銀座5-4-1
TEL 03 3569 3300。~7月25日(火) 11時〜20時(日曜〜19時)。公式サイト

土田貴宏

つちだたかひろ デザインジャーナリスト、ライター。家具やインテリアを中心に、デザインについて雑誌などに執筆中。学校で教えたり、展示のディレクションをすることも。

ARTS&SCIENCEが職人とつくる家具。

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July 5, 2017 | Design | casabrutus.com | text_Akane Maekawa

数々の作家や工房とのコラボレーションにより、次の世代に伝えるべき“ものづくり”を紹介してきたARTS&SCIENCE。次なるプロジェクトは、木工作家の井藤昌志とのコラボレーションから生まれた家具。その受注イベントが東京と京都で開催される。

井藤昌志は、長野県松本を拠点に活動する木工作家。彼が作り出すのは、現代の生活に寄り添う簡素で上質な家具や道具たち。天然の素材をいかした家具は、ミリ単位まで追求して組み上げられ、時に草木染を施すなど、他にはない凛とした佇まいと絶妙な風合いを持つ。昨年京都にオープンしたショップ〈HIN / Arts & Science〉のメインカウンターも彼の手によるものだ。

ARTS&SCIENCEと井藤による家具は、サイズオーダー可能な組み立て式の棚。デザインは真鍮の金具に棚板を組み上げたミニマムなものだが、棚板の表面と一体になった留め具など、ミリ単位で計算された接合部に井藤ならではの職人魂のこもった美しさが光る。横幅や棚数など受注時にオーダーが可能なので、自分の空間に沿ったサイズを選ぶことができる。

井藤昌志と作り上げた家具は、組み立て式の棚。棚材はチーク(写真)、桜、三度黒染めの桜の3種から選べ、棚数、横幅などサイズオーダーが可能。展示家具はすべて受注生産。チーク材 600×300mm 3段 85,200円。
飛び出ることなく真鍮の螺子が取り付けられた棚面。三度黒で染めた桜材の棚と真鍮の色とのコントラストが、ミニマムな構造を美しく強調する。

その他、新作の水屋箪笥や井藤が手がけるベーシックラインの家具も別注色で展開する。新しい試みを続けるARTS&SCIENCEのモノづくりの旅。あなただけの特別な家具に、ここで出会えるかもしれない。

『Made to Order Furniture by Ifuji × Arts & Science』

7月8日〜7月30日 〈HIN / Arts & Science、Nijodori Kyoto〉
京都府京都市中京区木屋町通二条東入東生洲町482番地
3角 TEL 075 253 6782。11時〜19時。 8月5日〜8月20日 〈AT THE CORNER by ARTS&SCIENCE〉
東京都港区南青山6-1-6
パレス青山109 TEL 03 6418 7960。12時〜20時。公式サイト

アアルトのプラント ポットが80年越しの製品化!

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July 5, 2017 | Design, Architecture | casabrutus.com | text_Mariko Uramoto editor_Akio Mitomi

フィンランドの家具ブランド〈アルテック〉から、アイノ・アアルトがデザインした植木鉢《リーヒティエ プラント ポット》とロナン&エルワン・ブルレックが初めて手がけたテキスタイル《リヴィ》が登場。

《リーヒティエ プラント ポット》 Bタイプ(小)7,900円。

《リーヒティエ プラント ポット》のオリジナルはアルヴァ・アアルト、アイノ・アアルト夫妻が1990年代まで暮らしたヘルシンキ郊外の自邸にある。現在、ミュージアムとして多くの人が訪れるこの家のテラスで、ひときわ存在感を放つ白い大きな植木鉢だ。

下/《リーヒティエ プラント ポット》 Aタイプ(大)17,300円。上/《リーヒティエ プラント ポット》 Bタイプ(小)7,900円。

これはもともとアイノ・アアルトがデザインし、1937年のパリ万博で発表したものの製品化には至らなかったアイテム。その植木鉢を《リーヒティエ プラント ポット》として80年越しに製品化させたのが、アアルト夫妻らによって誕生した家具ブランド〈アルテック〉。フィンランド独立100周年の今年、夫妻の夢が実現した。

オリジナルは室外用の大きな作りだが、製品は室内に置きやすい3サイズで展開。素材をセラミックに変更し、一つずつ人の手によって作られている。夫妻が夏を過ごした「実験住宅」のタイルの色から着想を得て生まれた、ホワイトとブルーの2色がラインアップされている。

ロナン&エルワン・ブルレック《リヴィ》 コットン生地 生地幅150cm 4,200円。

一方、フランス人デザインデュオ、ロナン&エルワン・ブルレックによる《リヴィ》は、平行線を手書きで表現したテキスタイル。規則性の中に揺らぎのある表情が特徴で、自然が生み出す不完全さに美や個性を見出す〈アルテック〉のデザイン哲学に通じるデザインだ。

色は深みのあるブルー、柔らかなホワイト、シックなグレイ、鮮やかなイエローを組み合わせた4種類。素材はコットン、キャンバスコットン、コーテッドコットンの3つを用意している。コーテッドコットンは手入れがしやすく、テーブルクロスとしても使える。また、素材の特徴にあわせて、クッション、バッグ、ポーチ、シルクスクリーンプリントのトレーなどのアイテムもリリース。生活のさまざまなシーンで取り入れられそうだ。

〈アルテック〉

TEL 03 6447 4981

〈au Design project〉のすべて。

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July 6, 2017 | Design | casabrutus.com | text_Hisashi Ikai editor_Akio Mitomi

プロジェクトの開始から15年を迎えた〈au Design project〉が、これまでの軌跡を振り返る展覧会を開催する。

マーク・ニューソン《talby》2004年

いまや我々の生活に欠かせない存在となった携帯電話に、いちはやくデザインの定義を持ち込んだのが〈au〉だった。

2002年に深澤直人が手がけたコンセプトモデルの発表とともにスタートした〈au Design project〉。数々のデザイナーとタッグを組みながら、時代ごとに注目されるトレンドや技術革新を取り入れつつ、ライフスタイルとリンクする新しいモバイルツールの開発を継続してきた。

7月21日から11日間にわたって開催される展覧会『ケータイの形態学』は、15年あまりにわたる〈au〉の取り組みを俯瞰するもの。未公開のコンセプトモデルを含むおよそ70点のプロダクトのほか、カタログやポスター、映像作品なども展示。9月下旬には展覧会を記念した書籍『ケータイの形態学』も刊行される予定だ。

深澤直人「ishicoro」コンセプトモデル 2002年 photo_Hidetoyo Sasaki

『ケータイの形態学 展 ─ The morphology of mobile phones』

〈GOOD DESIGN Marunouchi〉
東京都千代田区丸の内3-4-1
新国際ビル1F TEL 03 6273 4414。7月21日〜31日。11時〜20時。無休。入場無料。公式サイト

ヴィンテージマニア垂涎の「デザインマイアミ/バーゼル」へ!

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July 8, 2017 | Design, Architecture, Fashion | casabrutus.com | photo_ Adriano A. Biondo text_ Kaoru Tashiro

ヴィンテージ家具、オブジェをはじめ、コレクター垂涎の希少なピースを揃えるデザインギャラリーが集結するフェア「デザインマイアミ」。そのヨーロッパ版「デザインマイアミ/バーゼル」が、6月13日から18日まで、メッセ・バーゼルで開催された。

会場はヘルツォーク&ド・ムーロンが手がけた建築「メッセ・バーゼル」の一画。「アート・バーゼル」と並行して開催される。

「デザインマイアミ」は、歴史的に重要なヴィンテージを間近に眺め購入できる場というだけでなく、ギャラリーと現代のデザイナーや建築家がコラボレーションしたプロジェクトやリミテッドエディションも見どころのフェアだ。今回の「デザインマイアミ/バーゼル」には47のデザインギャラリーが出展。そのハイライトをご紹介したい。

トム・ブラウンらしい演出に会場が沸いた。トムはヴィンテージ家具のコレクターとしても知られている。クラスルーム風の会場は〈ギャラリー・ダウンタウン〉のコレクションをメインに、出展者から1920年代以降のヴィンテージ家具を集めた。

会場エントランスではインスタレーションがゲストを迎える。そのイベントディレクターとして今回、初めてファッションデザイナー、トム・ブラウンが起用された。インスタレーションは2つのシーンで構成され、一方は「トム・ブラウン」2014年秋冬コレクションのランウェイのセット。もう一方はヴィンテージのデスクを整列させたクラスルーム風の空間。内覧会では、制服風ルックのモデルたちがランウェイを歩き、デスクに着席するというパフォーマンスが会場を沸かせた。

〈ギャラリー・パトリック・セガン〉のブースは、プルーヴェの「6X9 デモンタブル・ハウス」。ピエール・ジャンヌレの家具を中心にペリアンなどをスタイリングした。

「デザインマイアミ/バーゼル」に参加した47のギャラリーのなかで、古参の貫禄を示すのがパリのデザインギャラリーの存在だ。筆頭が日本での認知度も高いヴィンテージ、ジャン・プルーヴェ作品のディーラーとして知られる〈ギャラリー・パトリック・セガン〉。プルーヴェのプレハブハウスをブースに、ピエール・ジャンヌレ、ル・コルビュジェとシャルロット・ペリアンらのオリジナルが並ぶ姿は壮観だ。

〈ギャルリー・エリック・フィリップ〉オーナー夫妻が腰掛けるのはフィンランド人、エスコ・パヤミエスのアームチェア(1965)。
1939年に建築家ジョン・ロートナーがデザインしたフロアランプ。背景の写真は FLライト設計の〈スタージェス邸〉。

〈ギャルリー・エリック・フィリップ〉も希少なピースを揃える。今回は、フランク・ロイド・ライト設計の〈スタージェス邸〉のために、建築家ジョン・ロートナーがデザインしたフロアランプを披露。〈スタージェス邸〉は前オーナーの他界により、2016年に邸宅がオークションにかけられたことでも話題になった。

〈ギャルリー・フィリップ・グラヴィエ〉による藤本壮介の「フォーレスト・オブ・ブックス」(左)。右手の作品は隈研吾のフローティング・ティーハウス「浮庵」(2007)。ヘリウムガスで浮くバルーンに超軽量布「スーパーオーガンザ」をかけた仮設の茶室だ。
ブルレック兄弟が〈ギャルリークレオ〉のためにデザインしたサスペンションランプ。

フランスはエディションに力を入れるギャラリーも際立つ。〈ギャルリー・フィリップ・グラヴィエ〉は藤本壮介とのコラボで実現した「フォーレスト・オブ・ブックス」を展示。ケージ状の構造体に本を差し入れるユニークな書棚は、空間に軽やかな異次元の場所を生み出すアートピースだ。

ミラノのデザインギャラリー〈ニルファー〉は、BBPRの家具をメインに、マイケル・アナスタシアデスの新作照明などをスタイリング。

今回のトピックの一つは、ミラノに1932年に設立された建築スタジオ「BBPR」がデザインしたカスタムメイドの家具が複数マーケットに現れたことだ。出処は、BBPR設計の50-60年代の建築〈ZP-アパートメント〉〈ラヴェッリ邸〉、2つのプライベートハウスである。イタリア合理主義建築をルーツに持つBBPRの、知られざるデザインワークにコレクターの注目が集まった。

NYの〈ギャラリー・フリードマン・ベンダ〉のスタンドは、すべてソットサスのオリジナル。

2017年はエットレ・ソットサス生誕100年のアニバーサリーイヤーであり、巨匠の希少なピースが各所で見かけられた。あるコレクターは、NYのメトロポリタンミュージアムで今秋開催されるソットサス展へ今回購入したキャビネットを貸し出す予定だと言う。

建築家、佐野文彦。「デザイン・キュリオ」のために自らが設計した茶室の前で。
ショルテン&バーイングスがデザインの有田焼〈2016/〉によるお点前。着物は高橋理子デザイン。

「デザインマイアミ/バーゼル」では、デザイナーやキュレーターによるインディペンデントな展示スペース「デザイン・キュリオ」を設ける。そこに、昨年400周年を祝った有田焼のコレクション〈2016/〉の参加デザイナー、ショルテン&バーイングスが、建築家の佐野文彦、アーティスト/デザイナーの高橋理子とチームを組んで出展。世界で茶室を実現する佐野が思考した、独自なプロポーションの現代的茶室は、来場者が参加できる生きた空間となった。

「デザインマイアミ」の魅力はヴィンテージというマーケットにとどまらず時代を超え、デザイン、建築、テクノロジー、そしてアートを横断的に捉えるプラットホームを提供している点だ。次回の開催は12月のマイアミとなる。

Design Miami

毎年12月、全米最大のアートフェア、アートバーゼル・マイアミに合わせてマイアミで開催されるのがデザイン見本市「デザインマイアミ」。「デザインマイアミ/バーゼル」は2006年から毎年6月のアートバーゼルに合わせ、スイス、バーゼルで開催されるデザイン見本市。世界のギャラリーが希少価値の高いヴィンテージ家具を展示する。

〈KIGI〉が繰り出す多彩なクリエーション。

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July 9, 2017 | Design | casabrutus.com | text_Hisashi Ikai editor_Akio Mitomi

宇都宮美術館で始まるクリエイティブユニット〈KIGI〉の大規模な個展。彼らの豊かなクリエーションの世界に迫る。

水を入れることで自立する〈D-BROS〉のフラワーベース《hope forever blossoming》。

広告、グラフィック、プロダクト、ブランドやショップ運営、プライベート作品の制作など多岐にわたってクリエティブ活動をしている〈KIGI〉は、デザイン会社DRAFTでキャリアを重ねた植原亮輔と渡邊良重の2人が、2012年に立ち上げたクリエイティブカンパニーだ。

〈KIGI〉植原亮輔(左)と渡邊良重(右)

クライアントワークの一方でブランドやオリジナルショップ等も展開し、近年は滋賀県・琵琶湖周辺で活動する職人たちと協働したプロダクトブランド〈KIKOF〉やファッションブランド〈CACUMA〉、そして東京・白金にオープンしたギャラリー&ショップ〈OUR FAVOURITE SHOP〉など、多角的な活動に取り組んでいる。

〈KIKOF〉より、信楽焼の工房とコラボレーションした幾何学的な陶器シリーズ。

7月16日からスタートする大規模個展『KIGI WORK & FREE』では、〈KIGI〉として展開してきた作品の数々を紹介。仕事(WORK)と作品(FREE)という2つの方向から彼らの世界観を紹介。彼らがいかに楽しく、そして実践的にクリエーションを行なっているかが理解できる内容になっている。

渡邊良重が、詩人の長田弘とジュエリー作家の薗部悦子とコラボレーションした絵本『ジャーニー』。
那須塩原に誕生した多目的スペース〈森をひらくこと、T.O.D.A.〉のロゴとタイプフェイス。
渡邊良重がアートディレクションを担当した洋菓子ブランド〈AUDREY〉のパッケージ。

『KIGI WORK & FREE』

〈宇都宮美術館〉
栃木県宇都宮市長岡町1077
TEL 028 643 0100。7月16日〜 9月24日。月曜(7月17日・9月18日を除く)・7月18日休。観覧料800円。

最新号『動物園と水族館』発売中!

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July 9, 2017 | Design, Architecture, Travel | casabrutus.com | text_Housekeeper

のびのび暮らす動物たちに会いに行こう! ジャイアントパンダの赤ちゃん誕生に、上野動物園は沸いています。動物園と水族館は、いつも自然の不思議さに目を見張る感覚「センス・オブ・ワンダー」を呼び覚ましてくれる場所。水槽の中の見たこともない生き物の形に驚いたり、動物たちの愛らしい仕草に癒されたり……唯一無二の体験が待っている、絶対行きたい国内外の動物園と水族館をご紹介します!

ZOO & AQUARIUM
センス・オブ・ワンダーに出会える! 動物園と水族館。

●自然光あふれるガラスの水族館。「アクアマリンふくしま」
●ついに完成した都会のサバンナ。「よこはま動物園ズーラシア」
●美術館のように生き物を見せる。「ニフレル」
●動物が暮らす森へワープする。「天王寺動物園」
●陸と海のつながりを再現。「海遊館」
●九州の海の生き物が集結。「マリンワールド 海の中道」
●都心で感じる水辺の風景。「すみだ水族館」
●ビル群を飛ぶペンギンに出会う。「サンシャイン水族館」
●身近な動物の姿から自然を学ぶ。「井の頭自然文化園」
●入り江の水族館で、イルカにタッチ。「伊豆・三津シーパラダイス」
●近くで見て、ふれて、歩く。「伊豆アニマルキングダム」
●ゆらゆら夢見るクラゲ水族館。「鶴岡市立加茂水族館」
●モフモフのキツネが目前に。「蔵王キツネ村」
●世界最多種のペンギンが勢揃い。「長崎ペンギン水族館」

●日本全国おすすめリスト。

●上野動物園がすごい理由。

●動物園&水族館をめぐるデザインの話。
谷口吉生、若生謙二 etc.

●あの人の好きな動物園と水族館。
山本美月、五十嵐大介、森本千絵、池田清彦、齋藤 槙、やきそばかおる、中村 元、たつき、岩合光昭

●tupera tupera familyと行くアドベンチャーワールド。

●専門家も注目! 世界で観るべきBEST3。

●世界で最も幸せなチューリヒ動物園へ。

【第2特集】
ハウスインダストリーズがヘンリー・フォード・ミュージアムにやって来た!

【連載】
●TOKYO NEW SCAPES NEW SCAPE
豊洲市場/写真:ホンマタカシ

●Window on the World
ソウル:高架道路がMVRDVの手で空中庭園に! 
パリ:トム・ディクソンの内装で蘇った伝説のダイニング。

●長山智美 デザイン狩人/〈PETKIT〉のペットグッズ
●レストラン予報/池尻大橋 レッセ フェール
●祐真朋樹 Miracle Closet/太田市美術館・図書館
●櫻井翔のケンチクを学ぶ旅。/〈サポーズ〉の新オフィスを訪問。
●In & Out Doors/ロンドン:カリフォルニア展/東京:日本の家 1945年以降の建築と暮らし
●ほしよりこ カーサの猫村さん/夢は有名建築家からの政治家!? 新人バイトさんの意外な素顔が……。
●野村友里 春夏秋冬 おいしい手帖「冷や汁」
●MY MASTERPIECES ソニア パークの守りたいもの、伝えたいもの。/Bobby Sings Standard,のアイウェア
●ふうせんいぬ ティニーギャラリー/仲條正義『青と赤』

電子版もいろいろあります!

>>Kindle版(Kindle Unlimitedでもお楽しみ頂けます) >>iPhone、iPad版(自動更新がお得!) >>dマガジンでもお楽しみ頂けます >>すべての目次と立読みはこちら

【RAIZIN presents】集中連載! nendo 佐藤オオキのひらめきのスイッチ 朝井リョウ

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July 10, 2017 | Design, Culture | sponsored | photo_Ayumi Yamamoto text_Tomoko Ogawa editor_Yuka Uchida

佐藤オオキがインタビュアーとなって、毎号、話題のクリエイターをゲストに招く集中連載。第4回は平成生まれの直木賞作家、朝井リョウさんです。

逆算によって導き出す、価値に気づくまでのプロセス。

学生作家としてデビューし、一般企業に就職。2015年、約3年勤務した会社を辞め、専業作家となった朝井リョウさんが今回の佐藤オオキの対談相手だ。形を通してモノの“真”を伝えるデザインと、最後のページで真実を明かす小説。二人のひらめきの姿勢には、意外にも共通項が多いようで……。

興味の対象の中に入って内側からのぞいてみる。

佐藤 自身の置かれている環境は、作品に影響すると思いますか?
朝井 僕は環境に左右されるほうだと思います。シロアリ型なので。
佐藤 ……シロアリ型ですか!?
朝井 つまり、ある環境に入って、内側から食い尽くすようなことをしてしまうんですよね。初めは題材として意識していないのに、中から見ているうちに書きたくなるというパターンが続いています。
佐藤 朝井さんが書いてきた、スクールカーストや就職活動もシロアリ型執筆から生まれたんですね。気になる題材の中にわざと入って、仕掛けていくんですか?
朝井 “仕掛かってる”というか。目的にすると、色眼鏡で見て捏造してしまうかもしれないので。
佐藤 純粋に興味を持ったものに、一度入り込むんですね。
朝井 佐藤さんは、一目で本質的な価値がわかるようにデザインしているけど、僕はその価値に気づくプロセスを書いているので、まず環境やシステムを肯定して、乗っかる必要があるんだと思います。
佐藤 興味の対象は関連性があるんですか?
朝井 掘っていくと、同じ地平にあったと気づくことはあります。最近、興味を持ったのが、「デスマッチ」と「日本語ラップ」と「ストリップ」。一見バラバラなようで、言い訳なしの行為という共通点があったんです。推敲を繰り返す小説と真逆に位置するような。
佐藤 そういう即興的な表現は、得意ではないと思いますか?
朝井 できるようになりたいです。大事なのは、かかった時間よりも熱量だと僕は思うので。
佐藤 その熱量を創造へと変えるスイッチはありますか?
朝井 考えてはみたんですが、どこにそのスイッチがあるか、本当にわからなくて……。
佐藤 規則正しくやるかギリギリまで追い込むか、どちらがクリエイティブを発揮しやすいですか?
朝井 きちんとやるタイプです。プロットも初めに全部決めますね。
佐藤 逆算型だ。僕も完全にそうで、安定してツーベースは打てるけど、ホームランは打ちづらい。
朝井 わかります。逆算しないほうが突破力のある作品が書けるとは思いますけど。僕の場合、最初にこの話で一番傷つく人を決めて、爆破された建物の本来の形を遡るように構成を考えていくんです。キャラが自然と動くようなことはないですし、そういうことを言う作家は嘘つきだと思う!
佐藤 柔軟そうに見えて、突然心のシャッターを下ろしますね(笑)。作品について、人と話し合うことはあるんですか? 
朝井 ほぼないですね。担当の編集者さんでさえ、話しても伝わらないことが多い気がしています。
佐藤 でも、頭の中には作品のイメージがちゃんとあるんですよね。
朝井 はい。人によっては震度1かもしれないけれど、自分にとっては震度7に感じる小説を書くのが好きなんです。なんてことないシーンでも、主人公の目を通すと戦場のような恐ろしさを持つような。そのギャップこそ、その人がこの社会で小説を書く意味なのだと思うので。その部分を言葉で伝えるのは難しいので、書く前の段階ではあまり共有できないんです。
佐藤 コンセプトだけ説明しても理解してもらえないことは僕にもよくあります。なので、早く物質化することを重視していますね。
朝井 スピードが上がればいいのにとは常に思ってます。文章って筋トレみたいに、量を書けばうまくはなる。自分なりの目線を持ちつつ、量も書けることが夢ですね。
佐藤 同じく筋トレ型だから、わかります。ちなみに、作家における編集者ってどういう存在なんですか? デザイナーがクライアントからオーダーを受ける関係とはちょっと違うんですよね?
朝井 作家によるとは思いますが、以前は訓練の意味でもオーダーはありました。でも、ゲンキンな話ですが、『何者』で直木賞をいただいてから一切なくなりましたね。
佐藤 わかりやすいですね(笑)。お話を聞いていると朝井さんは分析好きなんだなと感じますが、その目をご自身にも向けてますよね。
朝井 僕がこれまで書いてきたのは、読者に対して「味方だよ」とぎゅっとしながら、背中からナイフを突き刺すという話で。その刃は読者を貫通して僕にも刺さってるんです。じゃないとフェアじゃない。自分を棚上げしないことは大事。自己否定は年を重ねるほどできなくなると思うので、できるうちにしておこうと思ってます。
佐藤 身を削って書いていると。
朝井 というより、自分が作品の外にいないよう気をつけています。

『何者』(新潮社) 就職活動を控え、何者かになろうとする若者の本音と自意識をあぶり出す。16年に映画化。

作業は衆人環視のもとで。外出こそひらめきの一歩。

佐藤 これで小説ができるぞと確信する瞬間はありますか。
朝井 小説になる作品は、思いついた瞬間、ラストまで構成が完成していることが多いんです。後から気づくというか。だから、できるぞ、と確信する瞬間がわからないんですよね。
佐藤 その瞬間は、自分でコントロールできるものなんですか?
朝井 できないから困ってます。
佐藤 小説とは異なるエッセイを書くことで、いい切り替えができることもありそうですね。
朝井 確かに。僕、依頼がなくてもエッセイを書いてるんですよ。文章を書くことが楽しいという感覚を思い出すためだけに。小説は意味付けをしないといけないけれど、エッセイは教訓も感動も共感も要らない。何も差し出さないから、何も削られないんです。
佐藤 アスリートがジョギングやストレッチをする感じですね。文章を書く環境は選んでますか?
朝井 トイレさえあればどこでも。僕に文才があるとしたら、それはお腹が弱い習性と同時に宿されたものだと思います。ただ、家で作業するとサボってしまうので、ファミレスのような衆人環視のもとでするほうがはかどります。朝起きてすぐ外へ出ることは、僕にとってはすごく大事ですね。
佐藤 というか朝井さんのスイッチ、それじゃないですか(笑)。

ひらめきのスイッチを入れたいなら、大正製薬の新炭酸飲料〈RAIZIN〉。〈nendo〉がクリエイティブディレクションを手がける。強烈な辛口の《DRY》、すっきりとした甘味の《MILD》の2種類。各185ml、実勢価格190円。●問合せ/大正製薬 TEL 03 3985 1800。>>公式サイト

佐藤オオキ

さとうおおき 1977年カナダ生まれ。2002年〈nendo〉を設立。国内外で様々なデザインを手がける。10月1日まで、ベルギーの世界遺産に登録されている美術館〈ル・グラン・オルニュ〉にて個展を開催中。

朝井リョウ

あさいりょう 1989年岐阜県生まれ。早稲田大学卒業。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で第148回直木賞、14年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞受賞。
〈RAIZIN〉を無料で試飲できるサンプリングを〈コーネルコーヒー〉にて実施中。●
東京都港区赤坂7-2-21
草月会館2F TEL 03 6434 0192。9時〜18時(土・祝〜17時)。日曜休+不定休。

【特別連載】皆川 明の旅の日記 #1

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July 10, 2017 | Travel, Design, Fashion | casabrutus.com | photo & text_Akira Minagawa

6月、北欧に出かけたミナ ペルホネンデザイナー皆川 明が、旅の合間に見つけたあれこれを綴ります。

6月17日

1日目。
ヘルシンキへ始めて来たのは30年前。
真冬でとっても寒くてあんまりお金もないから、ヘルシンキ駅でお湯をもらって飲んでたのを思い出した。
30年って、ひと昔×3。さすがに色々ありました。結局フィンランド語の名前のブランド始めて沢山の仲間と周りの人にお世話になっているのも19才の旅がなかったら今は違っていたかもしれない。

人生は紆余曲折ありながらも続いているんだなぁと思いました。
中央駅は色んな旅の起点でもあり人生の起点にもなることもあるんだなあ。

僕はここから北極圏に行きあのコートを買いました。

今夜の宿に着くと鍵を渡されて、じゃあまた明日の朝ねと言われて無人になりました。晩御飯を食べられるとこある? って聞いたら、3キロ先にステーキハウスがあるよと教えてもらった。

あやふやな地図に迷いながら一時間歩いて着きました。
道すがら素敵な景色がありました。

ステーキハウスは、ワインの種類は少ないけどお肉はとっても美味しかった!
というより道に迷ったので一時間歩いてお腹空きすぎだったから?

夜9時。陽はまだまだ沈みそうにない。
こうしていつまでも陽のある道を自由に歩いてひとりの時間を約束のない時間の中で過ごしていることがありがたいです。フィンランド語のさえずりのような会話と鳥のさえずりが重なり合っています。こうやってのどかな国と出会えて幸せです。

着いてからまだ6時間。
もう何日も経ったようです。
皆様に感謝です。

皆川 明

みながわあきら 〈ミナ ペルホネン〉デザイナー。1995年にブランドを設立。生地から手がける服は独特の世界観をもつ。近年では家具、食器、インテリアファブリックなどのデザインも手がけ、活動の幅を広げている。2016年には青山にライフスタイルショップ〈call〉、2017年には代官山に素材を売る店〈マテリアリ〉、金沢に町家を改装した〈ミナ ペルホネン金沢店〉など新店も続々。著書多数。本誌からも書籍『今日のまかない』特別編集ムック『ミナ ペルホネンと皆川 明』を発刊。

メイド・イン・ジャパンのカスタムオーダーウォッチ。

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June 30, 2017 | Design | On Your Fridge | photo_Keiko Nakajima styling & text_Kohta Kawai editor_Rie Nishikawa

今春、表参道にグランドオープンした世界唯一のジャパンメイドによるカスタムオーダーウォッチブランド〈Maker’s Watch Knot〉。

ケース18,500円、バンド6,000円。

チタニウムのケースと高密度で織られたナイロンバンドの組み合わせは、アクティブシーンにもマッチする。

ノット TEL 0800 555 7010

【特別連載】皆川 明の旅の日記 #2

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July 12, 2017 | Design, Fashion, Travel | casabrutus.com | photo & text_Akira Minagawa

6月、北欧に出かけたミナ ペルホネンデザイナー皆川 明が、旅の合間に見つけたあれこれを綴ります。

6月18日

2日目。
今朝は4時半に目覚めました。
鳥のさえずりが遠くに、近くに聞こえてきます。

今回の旅は、将来の安価な宿を良い景色のある場所に作りたいという想いに沿って、宿を予約しました。ここはオーナーの両親の家をほとんどそのまま改装せずに宿としています。人の家に泊まっているようです。共同シャワー、共同トイレの一泊55ユーロのB&Bです。個室ですし窓からの景色が最高なので充分です。オーナーは鍵を渡して居なくなるというのもユニーク。朝食付きのairbnbのような感じです。

花曇りの天気は光が穏やかで遠くの湖が微かに輝いています。

白樺の葉の擦れる音が僕にとってのフィンランドの音の記憶だなと気づきました。
朝食はシンプルなビュッフェでしたが十分なものでした。
4組のゲストと一緒でしたがみんなフィンランドの別の場所から来ていました。
ミナ ペルホネンの紹介をすると二人の人は知ってくれていて友人の美大の先生がミナ ペルホネンのファンだと言っていました。とても小さなB&Bの偶然の出会いの中にもミナ ペルホネンを知ってくれている人がいるというのはうれしいですね。

次の宿まではタクシーを使わず送ってくれる人がいるか聞いて近所の人が送ってくれることになりました。双子の子持ちのイタリア人の青年です。昔も良く短い距離をヒッチハイクして移動しました。

10時半、フイスカルス村に到着。ホテルもとても心地よさそう。
フイスカルスで作られた砂糖無添加のシードル! スッキリしていてとても美味しいので、オーナーとアポイントを取って明日会うことにしました。スタッフの人いわく今のところこのエリアだけで売っているそうです。
デザートワインも美味しかった!
デザインもきれい。

フイスカルスのランチはガストロミー的なモダンレストランへ。フィンランドではまだ珍しいビオワインもありました。バターもフィンランドのバターで発酵の効いていて、エシレより特徴がありました。パンも自家製。メニューになかったグリーンサラダをオーダーしたら、ズッキーニだけで少しスモークグリルしていて香りがとてもよいアクセントに。即興なのに工夫がありました。

メインディッシュはスズキのフリット。小麦をとても軽くフリットしていて中は軽く火が入る程度で殆どレア。食感が素晴らしかった。フイスカルスの限られたエリアの中でこのクオリティは素晴らしいと思いました。
グリーンのソースは多分枝豆的な豆のソース。合わせ方も面白いです。

サービスのスタッフも説明もホスピタリティも心地よくて感心してしまいます。明日の夜も予約してみました。ディナーのクオリティも楽しみです。

若い頃にはできなかった料理を楽しむ時間。ありがたいです。
食も布もレシピが大切だと実感します。新しいアイデアが驚かしではなくきちんと調和していることが大事です。

ランチの後は2時間昼寝してフィンランドテキスタイルデザインのお店へ。スタッフから日本のミナ ペルホネンを知っているかと聞かれ、デザインをしていると言ったらオーナーもスタッフもミナ ペルホネンのファンだと言われ、オーナーも会いにきてくれました。オーナーもテキスタイルデザイナーでした。テキスタイルの学校でミナ ペルホネンの事はみんな知っていると言っていました。うれしいことです。

そのお店でニットのルームシューズを買いました。

その後の散歩で素晴らしい景色に出会いました。タンポポの群生地です。目線を下げてみるとまるで満天の星空のようでした。マリメッコでも素敵なタンポポの柄がありましたが、フィンランド人にとって大切な春を告げる桜のような存在なのかもしれません。

今日は日曜日ということでレストランやカフェは全て4時で閉まってしまいました! ホテルのレストランも! 思わず “聞いてないよ~!” って感じです。ランチをしっかり食べておいて良かったです。
こういうハプニングも面白いです。ホテルの庭で鳥のさえずりを聴きながらショップからの日報にゆっくり目を通しています。

人もいない静かな街にいるのは久しぶりです。鴨の親子を眺めたりフィンランドの小さなカラスの遊んでいるのを見ているだけの時間の中で、脳が休んでいるのを感じます。ここからゆっくりとアイデアを受け止める頭の中になっていきそうです。

今は午後8時、まだまだ明るいです。

ほかの日記を読む

皆川 明

みながわあきら 〈ミナ ペルホネン〉デザイナー。1995年にブランドを設立。生地から手がける服は独特の世界観をもつ。近年では家具、食器、インテリアファブリックなどのデザインも手がけ、活動の幅を広げている。2016年には青山にライフスタイルショップ〈call〉、2017年には代官山に素材を売る店〈マテリアリ〉、金沢に町家を改装した〈ミナ ペルホネン金沢店〉など新店も続々。著書多数。本誌からも書籍『今日のまかない』特別編集ムック『ミナ ペルホネンと皆川 明』を発刊。

建具専門のネットストア〈戸戸〉でLet’s! 模様替え。

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July 13, 2017 | Design, Architecture | a wall newspaper | photo_Kenta Hasegawa illustration_Saki Obata text_Yuka Uchida

住宅リノベーションを数多く手がける人気の若手建築家が、ネットストアを開設! 販売するのはオリジナルの建具です。

戸/Door
木枠にはめる素材が重要です。

家は建具でもっと面白くなる。そんな思いから生まれたネットストア〈戸戸〉。立ち上げたのは、住宅リノベーションに定評がある建築デザイン事務所〈キャンプデザイン〉の藤田雄介さんだ。

「建具は建築の中でも触る機会の多い部分なんです。床や壁は触らなくても、建具には毎日触れますよね。だから、もっと身近な存在として、設計者も住み手も建具に着目してはどうかと考えました」

ホワイトアッシュの無垢材で作った木枠にガラスをはめた「ガラス引き戸」や、一般的な襖の規格で作った「布框戸」などがある。「布框戸」は自分で布張りをすることも可能。建具は既存の開口にピタリとはまるかが不安だが、HP上に採寸マニュアルがあるから安心だ。

藤田さんが設計した建具は、以前からDIYパーツなどを扱う〈ツールボックス〉でも販売していたが、新たに専門のストアを立ち上げたのも、建具の面白さを意識的に広げたかったからだという。

「例えば、ガラスの引き戸は透明性のある膜のようなもの。視覚的な広がりを保ちつつ、音や匂い、隣の部屋の雰囲気など、目に見えないものを仕切ることができる」

襖と障子の合いの子のような布框戸は、好みの布を張れば、“面”として部屋を彩る効果も。木枠にはめる素材ひとつで、建具の役割は様々に変わっていく。

Handle/取っ手
手が触れる場所に木の温もりを。

取っ手は形やサイズ違いで4種類。すべて無垢のタモ材で、木そのものの温もりが感じられる。作り手は木工作家の西本良太。小さなつまみは取り付けが簡単で、家具の取っ手にもよし。ドアノブは内部の金具も取り替えが必要なので、扉を新調するタイミングにオーダーを。

また、簡単にトライできるアイテムとして、オリジナルの取っ手も人気だ。木工作家の西本良太が手作業で製作したもので、丁寧に面取りされた木肌が美しい。

「引き戸の木枠やドアノブに触れ、指先から伝わる感覚が、暮らす場所の印象そのものを変えることがあると思うんです。見た目に変化が生まれるのはもちろんですが、そんな視点からも建具選びを楽しんでもらいたいです」

取っ手は形やサイズ違いで4種類。すべて無垢のタモ材で、木そのものの温もりが感じられる。作り手は木工作家の西本良太。小さなつまみは取り付けが簡単で、家具の取っ手にもよし。ドアノブは内部の金具も取り替えが必要なので、扉を新調するタイミングにオーダーを。

建具を変えれば気分も変わる!

戸戸 今年5月よりスタート。読み方は「こと」。ひとつひとつの家=戸にある、それぞれの戸をデザインするという思いから命名。引き戸と取っ手がメインだが、今後は開き戸や蝶番なども取り扱いを検討中。

モルテーニの旗艦店、大阪・心斎橋にオープン。

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July 13, 2017 | Design, Architecture | casabrutus.com | text_Keiko Kusano

大阪・心斎橋にモルテーニの国内2店舗目となる旗艦店が登場。ミラノの住宅のペントハウスを連想させるような、心斎橋・御堂筋を見下ろすフロアには、最新のキッチンを中心とした理想の居住空間が広がっています。

開口部のテラスに向かって、モルテーニグループのキッチンブランド〈DADA〉のキッチンが設置されている。 photo_Yasunori Shimomura

イタリアを代表する家具ブランド、モルテーニ。大阪・心斎橋に誕生した新たな旗艦店は、320㎡のワンフロアの中でさまざまな暮らしのシーンを具体的にイメージできるよう、エントランスからキッチン、ベッドルーム、リビング、パティオ(中庭)にいたるまで、美しい暮らしの提案を見て回ることができる。

現在、モルテーニのクリエイティブ・ディレクターを務めるのは、ベルギー出身の建築家、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンだ。〈モルテーニ大阪〉も〈モルテーニ東京〉と同様に、彼の率いるモルテーニのチームによって設計された。

ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン。この春、ヴィンセントによる設計でリニューアルオープンしたミラノ最大のモルテーニとDADAのショールームにて。  photo_Sohei Oya (Nacása & Partners)

モルテーニ創業家3代目のマーケティング&コミュニケーションディレクターを務めるジュリア・モルテーニは、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンの魅力について、次のように話す。

「彼はもともと建築家だということもあり、家具だけを取り上げて考えるのではなく、空間全体をつねに考えています。彼が選ぶ色はとても自然な色でニュートラル。土の色や植物に近い色など、素材感を感じさせながら、いろいろなシーンで使えるように考えて選び抜かれています」

DADAのキッチン《VVD》は、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンが自身で初めてデザインしたキッチンだ。今春、Elle Decor Design Awards 2017を受賞。 photo_Yasunori Shimomura

典型的なショールームと異なり、自宅にいるようなリラックスした雰囲気を出すようにレイアウトされている〈モルテーニ大阪〉。フロアには、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンのアイコンとも言うべき中庭(パティオ)もある。彼の自宅にも同じように中庭がある。

ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンの自宅。落ち着きのある空間が広がる。 photo_Alberto Piovano

〈モルテーニ大阪〉の大きな特徴は、眺めの良い明るい場所に、みんなが集まるようなキッチンが配置され、ダイニングエリア、リビングエリアなどのすべてが緩やかに調和し、つながっていることだ。

「最近、これまで料理をあまりしないと言われていたアメリカなどの国でも、キッチンが見直され、家の中心になってきていると感じています。世の中、予期せぬことが起こるような時代ですから、外に食べに行くよりも、友達を呼んで、自宅でゆったりとくつろぎたい人が増えているのかもしれません。メインの部屋にキッチンがあり、そこでみんなで食事をしながら楽しめるライフスタイルに変わってきているのではないでしょうか」(ジュリア・モルテーニ)

ウォークインクローゼット《Gliss Master》。フロントに透明ガラスを使用した見せる収納だ。扉のワイヤーまで自社で製造し、金具などを極力見せないディテールに、モルテーニの美学が貫かれている。 photo_Yasunori Shimomura

ハンドメイドの小さな工房からスタートしたモルテーニは、80余年の歴史を誇り、アルチザンの精神と伝統を大切に守り続けながら、一方で最先端のテクノロジー開発にも積極的に取り組んでいる。〈モルテーニ大阪〉で、家具と空間が織りなす調和された上質な世界観を、ぜひ体感してほしい。

〈モルテーニ大阪〉

大阪市中央区南船場4-2-11
4F。TEL 06-6258-8822。 11時~19時。水曜・祝日休。

近くで見てもリアル! 紙の動物園、開園です。

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July 13, 2017 | Design | a wall newspaper | text_Yuka Uchida

紙のパーツを張り合わせて作る精巧な動物。大人も夢中になれるクラフトペーパーキットです。

小さな耳や肩から首にかけてのライン、胴体や足の丸みまで、見れば見るほど、本物のシロクマそっくり! この精巧な紙の動物を作ったのは、ペーパークラフト作家の和田恭侑と、《空気の器》などを生み出した福永紙工。組み立てキット《gu-pa》の新作で、あらかじめ細かく切り抜かれた紙のパーツを、ひとつひとつ丁寧に糊で貼り合わせれば、誰でも(少し頑張れば!)本物そっくりの紙の動物を作ることができる。

しかもこの動物、関節の一部を動かすことができる。パンダは顔、シマウマやキリンなら顔や首の角度を変えて、好みのポーズを取らせるのがまた楽しい。紙の構造を知り尽くした大人が作った、本格的なペーパークラフトキット。大人も久しぶりに本気を出して、工作に没頭できそうだ。

頭が左右に動かせるよ!

TOP TO TAIL

頭からしっぽまで、動物のシルエットを綿密に再現したペーパークラフトキット。細かい紙のパーツがセットになっていて、糊で貼り合わせ完成させる。全5種類。各1,600円〜(福永紙工 TEL 042 526 9215)。

【特別連載】皆川 明の旅の日記 #3

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July 14, 2017 | Design, Fashion, Travel | casabrutus.com | photo & text_Akira Minagawa

6月、北欧に出かけたミナ ペルホネンデザイナー皆川 明が、旅の合間に見つけたあれこれを綴ります。

6月19日

3日目。
もうずいぶん前に来たような不思議な時間が流れています。昨夜は夕食抜きでしたので早く寝て朝早く目覚め、4時半頃に起きて洗濯したり本を読んだりして6時からジョギングに行きました。

少し森の方へ入ると、湖面には蓮がきれいに浮かんでいたり昨日とは違う景色に会いました。その写真を撮ったときにホテルのカードを落としていたらしく、結局見つけるためにもう一周して、体も温まりお腹ぺこぺこで朝食一番乗りでした。


ご飯の後で絵柄を描き始めたのですがあえなく1個目大失敗! 
気を取り直し散歩に出ました。さっき鍵を落とした蓮の池が気になってもう一度来てみたらとても美しくて見入ってしまいました。鳥の鳴き声がいく種類もあって可愛らしくこんな鳥の鳴き声も絵にできるんじゃないかと思いました。

今日はギャラリーをゆっくりと周ろうと思います。

お昼を食べて少し散歩をした後フィンランドの現代アートを見に行きました。とてもユニークでした。僕が現代アートに出会ったのも初めての北欧の旅でした。フィンランドのアテネウム美術館でアクリルに入ったゴミが飾ってあって、それを見たときとても自然な美しさを感じたのを覚えています。

その後スウェーデンへ行きニキドサンファルの彫刻を見て、イヴ クラインもそのとき知りました。今日は久しぶりに心がザワザワ楽しくなりました。ニットでできたおじさんは本当に人が座ってるのかと思いました。仕事のアイデアももらいました。


その後はのんびりコーヒーと日向ぼっこしています。何もしていないことが今の僕には一番新鮮な時間です。この時間で浮かんでくること、感じることを観察してみます。

夕食は先ほど見たギャラリーのキュレーターさんと取ることにしました。この旅は突然と偶然を取り込んでいきます。

夕方に立ち寄ったカフェには僕だけでしたが、やけに多い椅子がきれいでした。
夕方5時。もう人は殆ど歩いていません。

ほかの日記を読む

皆川 明

みながわあきら 〈ミナ ペルホネン〉デザイナー。1995年にブランドを設立。生地から手がける服は独特の世界観をもつ。近年では家具、食器、インテリアファブリックなどのデザインも手がけ、活動の幅を広げている。2016年には青山にライフスタイルショップ〈call〉、2017年には代官山に素材を売る店〈マテリアリ〉、金沢に町家を改装した〈ミナ ペルホネン金沢店〉など新店も続々。著書多数。本誌からも書籍『今日のまかない』特別編集ムック『ミナ ペルホネンと皆川 明』を発刊。

映画化&絵本化決定!ふうせんいぬティニー最新作の舞台は、なんだか不思議な風船恐竜の国。

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July 14, 2017 | Design | casabrutus.com | text_Housekeeper

8月25日より全国にて上映される映画『ふうせんいぬティニー』。その原作絵本『ふうせんいぬティニー なんだかふしぎなきょうりゅうのくに!』が7月15日に発売されます。

『ふうせんいぬティニー なんだかふしぎなきょうりゅうのくに!』1,404円。(C)2017 Genki Kawamura & Kenjiro Sano /Tinny Movie Project

これまでの作品で、雲の上の大冒険に出かけたティニー。今回の物語では、空から落ちてきた不思議な模様のついた“たまご”から生まれた風船恐竜の赤ちゃん・トリィのパパとママを探します。待ち受ける「風船恐竜」の世界は、どんな世界なのか? 個性豊かなカラフルな恐竜たちが活躍する、繊細なテクスチャーで彩られた絵本の世界は、大きなスクリーンで観る映画とはちょっぴり違う味わいで、両作品見比べながら楽しみたい。

映画『くまのがっこう パティシエ・ジャッキーとおひさまのスイーツ&ふうせんいぬティニー なんだかふしぎなきょうりゅうのくに!』8月25日(金)全国ロードショー 配給:東宝映像事業部 (C)B/TBSMP (C)GK&KS / TMP 映画公式サイト

【ふうせんいぬティニーの世界とは?】
体に風船を巻きつけた小犬・ティニーは風に飛ばされ、雲の上に飛んできてしまった。 たどりついた雲の上の世界でティニーは生まれつき風船が体についている 「風船動物」たちに出会う。 わすれんぼうのラビィ、けんかばかりのペンとギン、くいしんぼうのピギー、いばりんぼうのリオン、ふうせんくまの二ティ。そして、さまざまな風船動物たちと出会いと別れを繰り返しながら、ティニーたちは大冒険を繰り広げていく。

NHK Eテレにて2年以上に渡り放送され、未就学児を中心に人気を広げてきた絵本&アニメシリーズ。今回は、舞台を風船恐竜の世界へと移し、いよいよ劇場デビュー。15周年を迎える絵本『くまのがっこう』シリーズの『映画くまのがっこう パティシエ・ジャッキーと おひさまのスイーツ』と豪華2本立てにて上映。NHK『おかあさんといっしょ』 のうたのお兄さんを9年間つとめ、歴代最長出演記録を持つ、横山だいすけさんより「ジャッキー&ティニーだいすき!」と応援コメントも届いている。

映画『くまのがっこう パティシエ・ジャッキーとおひさまのスイーツ&ふうせんいぬティニー なんだかふしぎなきょうりゅうのくに!』8月25日(金)全国ロードショー 配給:東宝映像事業部 (C)B/TBSMP (C)GK&KS / TMP

土田貴宏の東京デザインジャーナル[番外編]|NYデザインウィークで見つけたベスト5。

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July 14, 2017 | Design | a wall newspaper | photo & text_Takahiro Tsuchida

前月のミラノに隠れがちだが、レベルアップ著しい5月のNYのデザインイベントから注目の5組を厳選。

Philippe Malouin

未来のワークスペースはこんなスクリーンが彩る!? ロンドン拠点のフィリップ・マルインが家具ブランド〈hem〉の依頼を受け、斬新なアイデアに基づいたオフィス用パーティションを試作。話題のコワーキングスペース〈WeWork〉の2階が会場に。

世界中の都市に恒例のデザインウィークがあるが、毎年5月のニューヨークの『NYCxDESIGN』は年々規模を拡大中。3週間にわたり市内各所でイベントが行われ、もう“ウィーク”の枠を超えている。その中から特に気になった5組はこちら。今年のミラノ・デザインウィークでも大活躍のサビネ・マルセリスは、得意の樹脂に鋼板を合わせたアートな椅子を発表。フィリップ・マルインが手がけた実験的なパーティションのシリーズも素晴らしかった。

Sabine Marcelis

構造と素材をきわめた、座れるミニマルアート。 素材の美的可能性を追求するサビネ・マルセリスは超ソリッドな椅子。デザインギャラリー〈チャンバー〉主催の女性デザイナーのグループ展『ルーム・ウィズ・イッツ・オウン・ルールズ』より。

Ladies & Gentlemen Studio

今のNYの感性が結晶したスタイリング。 ブルックリンで活動するレディース&ジェントルメン・スタジオは、自作のモビールなどをオーストラリアの〈SP01〉の家具と組み合わせて見せる『Over/Under』展を開催。他にも多くの展示に参加した。

近年、勢いづくアメリカのデザイナーではレディース&ジェントルメン・スタジオが最注目。ポップで軽妙でモダンなセンスが最高。西海岸勢もNYで存在感を増す。ヨーロッパの動きともつながりながら、独自の背景や感性が融合するシーンは、実に興味深い。

Silvia Song

西海岸の職人技が生む、絶妙の佇まい。 サンフランシスコ在住のシルヴィア・ソングの本棚は、無垢の角材と大理石の組み合わせが素朴かつ洗練されている。NYCxDESIGNの中心的な家具フェア『ICFF』でデビューした新レーベル〈メイク・ユース〉より。

Another Human

稀少な天然石を生かした完璧なユニークピース。 蛍石、黒曜石、溶岩などの天然石をそのまま用いるLAの〈アナザーヒューマン〉によるミラー。デザイン系ウェブサイトが主催する恒例の人気イベント『Sight Unseen OFFSITE』への出展が注目された。

NYCxDESIGN

今年は5月3日〜23日に開催されたNYのデザインイベント。ニューヨーク市が主催し、マンハッタンはじめ市内に散在する約500もの展示や施設が参加。グラフィックやテクノロジーなど多領域を網羅するのも特徴。

土田貴宏

つちだたかひろ ライター、デザインジャーナリスト。家具を中心に執筆し、学校で教えたり、展示のディレクションをすることも。casabrutus.comで「東京デザインジャーナル」連載中。次のデザインウィーク取材は9月のパリ〜ロンドンか、10月のオランダか。

スウェーデンから、グラフィカルなライティングビューロー。

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July 15, 2017 | Design | On Your Fridge | photo_Keiko Nakajima styling & text_Yumi Nakata editor_Rie Nishikawa

3本の材をクロスさせた脚部の家具を様々に展開する、スウェーデンの気鋭の家具ブランド〈ノーアーリーバーズ〉。パンチングメタルがグラフィカルなライティングビューローを発売。金具などの細部も美しく仕上げられている。

《ネブ ビューロー》630,000円。
リビング・モティーフ TEL 03 3587 2784

Good TOOLS For Me|愛用の麦わら帽子を教えてください。

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July 16, 2017 | Design | a wall newspaper | editor_Yuka Uchida

毎回3人のゲストに愛用の日用品を教えてもらうコーナー。今回は麦わら帽子。形や素材でこんなにも雰囲気が変わります。

〈la Maison de Lyllis〉のパーソナルオーダーハット。

ホツレていたツバの先はあえてそのままに。綺麗めなスタイルに素材の風合いを合わせて、ラフに楽しんでいます。

昨年春に私がバイヤーを務める〈STYLE&EDIT〉で、帽子ブランド〈ラ メゾン ド リリス〉のハットオーダー会を行いました。そこでデッドストックの一点物の素材から好みのものを選び、頭サイズに合わせて、クラウンの高さ、ブリム(帽子のツバ)の長さ、その角度までこだわって依頼したパーソナルオーダーのハットです。用意された素材は約200種。その中で一目惚れしたのがエクアドルで仕入れたというパナマです。その立体感のある美しい編み目を生かして仕上げてもらいました。リゾートすぎず、日常でも使いやすいサイズも気に入っています。

麦わら帽子といえば麦の藁で編んだものが王道ですが、私にはカジュアルで可愛く感じてしまい、なかなか自分のスタイルに落とし込めません。日常的に使うならパナマ素材、リゾートなど遊びに行くときはラフィア素材の帽子を選ぶことが多いです。

ハットのオーダー会は今年も開催していて、デッドストックの素敵な素材がたくさんあったのですが、これを超える好みの素材には出会えていません。

長尾悦美

ながおよしみ 髙島屋のオリジナルセレクトショップ〈STYLE&EDIT〉バイヤー。ELLE ONLINEに連載を持つほか、インスタグラム(@yoshiminagao)が人気。

〈gris〉のキャスケット麦わら帽子。

この麦わら帽子は、この角度から見るのが一番好き。内側の黒いリボンは、かぶっているときはもちろん見えないのだけれど。

麦わら帽子といえば、夏。なのだけど、我が家の玄関には、いくつかの麦わら帽子が無造作に積まれてできた“麦わら帽子タワー”が季節を問わず鎮座している。

それは、夏はもちろん、冬にも麦わら帽子をかぶるスタイルが好きだ、ということも一応理由としてはある。厚手のコートや革靴、身体はしっかりと真冬なのに、頭部だけなんとなく夏。アンバランスな着こなしに思えるけど、これが意外としっくりくる(気がする)。

ただ、そんなことよりも、私はきっと麦わら帽子というアイテムそのものが好きなのだ。できることなら、夏だけでなく、一年中、どこか目の触れるところにはいてほしい。

そんな私の麦わら帽子コレクションのなかでも古参の10年選手が〈グリ〉のキャスケット型。雑誌かなにかで初めて見たときに「これはなんとかして手に入れたい!」と悪戦苦闘して、結局はメーカーから直接取り寄せたように思う。

今年の夏も大活躍。そして、きっと、今年の冬も大活躍の麦わら帽子だ。

成瀬文子

なるせあやこ 〈atelier naruse〉デザイナー。2007年にブランドを立ち上げた後、年2回のコレクションを全国取扱店、オフィシャルONLINE SHOPにて発表。本人のブログも人気。

〈Pois É〉の夏の帽子。

〈ポイゼ〉の帽子はコスチュームジュエリーのように装飾的で美しいものもたくさん。私が愛用しているのはシンプルなもの。

〈ポイゼ〉の帽子と出会ったのは〈レクトホール〉がまだ本と家具の店〈リムアート〉だった頃。店の奥のスペースを展示会場として使ってくださったのがきっかけでした。帽子をかぶり慣れない私は、麦わら帽子ってもっと素朴なものだと思っていましたが、〈ポイゼ〉のクラシカルでコンテンポラリーな印象に魅かれました。

さあ、初めてかぶっていつも通り自転車で疾走してみたら、大きめのツバの抵抗で吹っ飛んでしまいました! 自転車に乗る人はどうしているんだろう? 〈ポイゼ〉のデザイナーの平岡さんに相談すると、黒くて細い髪ゴムをつけてくださったんです。一瞬「え! あごの下のゴムは幼稚園生みたい〜」と思ったらゴムは頭の後ろに回して髪の毛の襟足あたりに引っ掛けるとのこと! そんな方法、知らなくてびっくりでした。ショートヘアですが髪の毛に隠れてゴムは全然見えません。

帽子はかぶり慣れないと恥ずかしいのですが、やっと夏は定番化しました。でもサングラスはまだ恥ずかしい。自意識過剰かな……。でも今年こそは。

廣田 佐知子

ひろたさちこ 恵比寿にあるショップ〈RECTOHALL〉のオーナー。コンテンポラリーな衣服や革小物、作家物の器、アンティーク家具などを扱う。公式サイト

日本とデンマークの暮らしを見つめた展覧会『日々の生活–気づきのしるし』。

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July 17, 2017 | Design | a wall newspaper | text_Kaori Nakada

ボーエ・モーエンセンなど、日本でも愛されるデンマークデザイン。日本との外交樹立150周年を記念して、2か国の暮らしのデザインに着目した展覧会を開催する。

Børge Mogensen J39 フレデリシア ファニチャー ボーエ・モーエンセン 1947 Photo: Fredericia Furniture

共同企画者にデザイナーのセシリエ・マンツを迎え、日本からは原研哉などが参加。

〈金沢21世紀美術館〉

石川県金沢市広坂1-2-1
TEL 076 220 2800。8月5日〜11月5日。10時〜18時(金・土〜20時)。月曜休(除外日あり)、9月19日・10月10日休。観覧料1,000円。
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